2022.10.28 秋冬入荷状況

ichiruのアイテム

こんにちは。佐々木 拓馬です。私の簡単なプロフィールはこちらです。よろしければご覧ください。

お客さまに言われました。「もうそろそろ衣替えしますか?」私は思わず「冬物の事でしょうか?」と質問に質問で返してしまいました。ichiru の店内の衣替えのことをお尋ねされたのです。私が咄嗟にお返ししてしまった応えは、じぶんではもう冬物オッケー完ぺきですな状態だったので、驚きを隠しきれないことばがそのまま出てきたのです。

そうか。。いま、店内を賑わせてくれている洋服たちは、ぜんぜん秋物だったんだ。。なぜ私は冬物が出ている気分になっていたのでしょうか。毎日毎日、アイロンにメンテナンスに追われて現実逃避をしていたのかもしれません。品出しは終わった、もう完ぺきだ!と思いたかったのだ。じぶんよ、ここからまた怒涛の冬物入荷をやっていくのだぞ。ご来店の皆様は、お楽しみに。ササキのおしりをたたいてください。本当にはたたかなでくださいね。痛いです。

今回はシャツをご紹介していきます。冬物でシャツ?って思いましたね?思いましたよね。シャツというのはヴィジュアルとしても機能としてもとても中心にあるアイテムだと思います。

まずは素材、ウールとポリエステルとデニム、そしてシルクをピックアップします。まあまあ、落ち着いてください。シルクなんて、という声が電波に乗って伝わってきています。ページを閉じるボタンから手を離して、落ち着いてください。

目を背けたところで私は生きています。あなたの知らないところで冬の最中にシルクの話をし続けているでしょう。ならば知ってからでも知らないふりをするのは遅くありません。そう、閉じるボタンから手を離して、落ち着いて。

ichiru でメインに取り扱っている年代は 70’s です。この年代の特徴は、襟が大きくてとんがっていることです。まるで攻撃的な鳥のくちばしのようです。でももちろん、全ての襟がそういう個性を持っているわけではありません。優しそうな襟もたくさんあります。

60’s というのは襟が小さいという特徴がありました。その流れで、70’s 前期は襟が小さなものが多くあります。そこから後期にかけてどんどん大きくなっていくのですが、理由はよくわかりません。

よく言われることですが、襟というのはシャツの顔となる影響の大きいディテールです。しかし、ichiru では、買い付けの段階で襟の大小は気にしていません。そういった基準を設けている古着屋があるかどうかも知りませんが、コーディネーに影響の大きなディテールですが、合わせ方や、着る人の雰囲気によっては攻撃的な襟も、スポンジの刀のようにかわいい感じになると考えています。先ほどから例えが変ですが、ご了承ください、というよりも慣れていただきたい

はじめはこちら。厚手のコットン×ウールの混合素材です。このシャツの名前は「セグメント」と名付けました。パッと見てとても印象的な幾何学的な柄ですが、左右対称に白いラインが意図的な感じで入って、リーバイスの3rd モデルのようなデザインになっています。

シャツジャケットのようなしっかりした素材は、1枚だけでも存在感を放ちますし、着こなしも成立してしまうパワーを持っています。少し大きめな襟ですが、ワイドに広がっている形が大きさの印象を優しく抑えてくれています。

ボタンにも力を入れています。金色で四角い形をしていますが、かまぼこのように丸いフォルムで独特の存在感です。なぜ、ロールケーキとかおしゃれな例えではなくかまぼこになってしまったのか、悔やみきれません。価格は ¥4.800- です。

次もウールのシャツで「ookinami」と名付けました。足袋で知られている福助の名前がタグに入っています。2003年に倒産の憂き目に見舞われますが、トヨタグループ総合商社の豊田通商の子会社となり現在も存在感を放っております。ソックスもお勧めできるものがありますので、見てみると面白いですよ。

こちらは大きくとんがった攻撃的な 70’s らしい襟です。カラフルで不規則な感じのする配色ですが、よく見てみると同系色でまとまっています。とてもコスパのいいテキスタイルだといえます。倒産というのはこういった上手なコストカットだけでは避けられないものなのだと教えてくれる、しくじり先生ならぬしくじりシャツ、教材として深い学びのあるシャツです。私はいったい何をセールスしようとしているのでしょうか。

今となっては珍しくなった貝ボタンを採用しています。プラスチックで貝ボタン風のものがたくさんありますが、やっぱり本物の存在感は特別です。価格は ¥4.800- です。最後にひとつ言いたいのはこの柄イクラに見えませんか?

次はドレスシャツのご紹介です。タックプリーツが全体にあしらわれているだけでなく、肩と襟の辺りにさりげなくも目を惹きつける丁寧なシャーリングが、とても美しいです。

襟の形、袖のなめらかなラインが着た時のバランスをもっと違うイメージに整えてくれます。コーディネートがむつかしく思われがちなこういったドレスシャツですが、スキニーのような細いシルエットのものよりも、身体に対して少しゆとりが出るくらいのシルエットが相性良く合わせられます。

素材選びではデニムのような硬めのものより、同素材でもあるポリエステルのような柔らかいものを合わせるとまとまりやすいです。ウールのスカートでもいいですね。でも、避けるべきは大きなAライン、タイトなものです。その間のものであればブラウスの方がそのアイテムに馴染んでくれます。

ウールを下に持ってくる場合の注意点としてもうひとつ、遠目から起毛がわかるものは避けたほうがいいと思います。素材の温度感に差がありすぎると、しっくりこないことが多いですね。

「kayanosoto」 ¥7.800- です。

さて、お待ちかね、シルクのブラウスです。シルクは結構着ていると温かいのです。着たてはヒヤリとしますが、すぐに体温で全体が温まります。冬でも気持ちよく、心地よく着られます。

これもワイドカラーで、色々な重ね着に相性良く組み合わせられます。

しかもこちらはボタンでハイネックにすることもできます。ハイネックにできるというのは珍しいディテールです。そして、ハイネックにした姿の写真を撮り忘れました。

豹柄中の豹柄です。合わせを間違えるとどこかの街のおばちゃんと言われてしまいそうですが、皆さんの年齢ならそんなものは跳ね返せるはずです。1枚で着るのだって重ね着だって、臆することはありません。堂々と背筋を伸ばして着るのです。さながらヒョウのように!

いかがでしたでしょうか。とても真剣に、真面目に、それぞれの魅力を解説できたと思っております。笑など一切必要ないのです。きっと真剣さが伝わっていると信じています。

これからどんどん冬の寒さが深まっていきますね。寒いのは嫌ですね。なんとか洋服で楽しみつつ、寒い冬を越していきましょう。

ではまた。

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