どこで仕入れているのですか?

よくある質問

こんにちは、佐々木 拓馬です。ぼくの簡単なプロフィールはこちらです。よろしければご覧ください。

さて、今回はよくあるよくある質問」コーナーです。”よくないコレ?コレよくない?よくなくなくなくなくなくない?” でお馴染みなのは「今夜はブギーバック」ですね。「よく」しか一致していないのに思い浮かんでしまいました。よく言えたものです。”よくよく考えると入浴って贅沢” でお馴染みなのは「エナジー風呂」です。よくあるよくある言っていたら全然関係ないことで頭がいっぱいになってしまいました。そんな私にいつもお付き合いいただき、どうもありがとうございます。

ちゃんとした話をしたいと思います。

ichiruで一番多く質問されるのが「どこで仕入れをしているのですか?」です。今回はその仕入れについての質問におこたえしたいと思います。

なぜこの質問が多いのか不思議にも思いますが、多くの人が古着屋は特殊なことをしていると思っているみたいなのです。先に言ってがっかりさせておきますが、なんてことありません、古着とは、みなさんが捨てたゴミのことなのです。全くキラキラしていないとてもほこりっぽい世界です。

期待を裏切る前に期待させなかった私を褒めていただきたい気持ちです。私たちichiruは、その捨てられた洋服が集まる場所に行き、商品として楽しんでもらえるもの、喜んでもらえるものを、手間を惜しまずに一枚一枚確認をして買い付けるものを選んでいます。

中古繊維が集まるウエス屋です。ウエスの加工以外にも様々な仕事があります。

そして、どこで仕入れをしているのですか?という質問に隠れている一番肝心な部分が「その場所ってどんなところなの?」ではないでしょうか。その場所は、ウエス屋と呼ばれています。違う呼称もいくつかありますが、多くの場合、ウエス屋さんと呼びます。その起源は明治の頃からだといわれています。話が少しそれますが、ウエスというのが何かというのを少し解説します。ウエストというのは工場などで使われる雑巾のことで、素材は木綿が中心です。中古の衣類などを原料として作られます。

中古繊維から作られたウエス。とても綺麗にパッケージされています。専用の裁断機でカットして作られています。

新しい雑巾ではなく、わざわざ中古繊維から作るのはなぜなのかという疑問がうかんできますが、皆さんも自宅で使うバスタオルが新品のものより洗いざらしたものの方がよく水分を吸ってくれるという経験があると思います。新品のタオルは木綿の脂分を含んでいて水や汚れをうまく吸収できません。そして木綿は何度も洗濯すると繊維がいい感じに荒れていき、吸水性が高くなるという特性を日本人はよく知っていました。着古したものをほどいて雑巾にしたり、最後の最後には台所のかまどの燃料にまでしていたようです。無駄のないリサイクルの文化が江戸時代の頃から既に確立されてたという記録が残っています。

古着屋というようなものは江戸の頃にもあったという資料が残っていますが、商店と個人でのとてもちいさなやりとりに限定されていました。布だけではなく様々なものが再利用の対象になっていたようですが、それも現代のような産業というようなものではなく、きっと手探りをしながら行われていたものだったのだろうと思います。

それが近代化した明治の頃から以前では考えられないくらいの資源が洋服に限らず集まり、廃品を回収する業者が現れることになります。そして一番はじめの再生資源業は、繊維から始まっていったようです。つまり、ウエス屋さんの歴史を紐解いていくと、日本のリサイクルの歴史もどんどん繋がってついてくるのです。面白いですね。面白いんです。海外にもウエス屋のようなものはあるのですが、ウエスを作っていたのは日本だけでした。今では日本以外でも作られていますが、当時は日本独特なユニークな発想だったようです。MADE IN JAPAN を仕入れる ichiru にとってウエス屋さんは最適な感じがしますね。

私たちichiruではこういった場所にお邪魔して、途方もない数の洋服を一枚一枚確認をしながら時間をかけて買い付けするものを選んでいます。この方法や場所だけが古着屋の買い付け方法ではありません。お店によって様々です。生産国や買付方の違いによって大きく個性が生まれてくるのが、古着を扱うお店の魅力のひとつだと思います。洋服一枚に閉じ込められている雰囲気なども感じてもらって、手に取るたのしさを少しでもプラスしていただけたら嬉しく思います。

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