ichiruスタイリング10/2

ichiru スタイリング
10 – vol.2

ichiru オーナー兼バイヤー兼販売員、つまり1人でやっているのでなんでもやるササキタクマの営業日のコーディネート1週間分をまとめた記事です。参考や、洋服・古着の関心につながったら幸いです。


BEAMS の
ニットキャップ

00’s プルオーバーの
柄シャツ

Levi’s 541 の
ブラックデニムパンツ

スタンダードなケーブル編みのニットキャップとデニムパンツにレトロな柄のプルオーバーシャツを合わせました。古着の中ではレギュラーと呼ばれる近年のアイテムですが、古着スタイルな感じが出せていると思います。

上に若干伸びた形になっているニットキャップにタイトなシルエットのシャツとパンツで、線が細く見えるだけでなく、スタイルがよく見える効果です。Levi’s 541 は、太ももとヒップにゆとりがあり、裾に向かって細く絞られるテーパードという形になっていて、そつなくどんなスタイルにも寄り添ってくれます。


BLANKEY JET CITY の
キャップ

80’s 山本寛斎のシャツ

Levi’s 541 の
ブラックデニムパンツ

ジャケットのようなパターンのシャツは、山本寛斎が80’s 〜 90’s 初頭まであった KANSAI Profumo というラインのものです。

山本寛斎ブランドは存続していますが、このプロフューモのラインは終了しているので、稀少なアーカイブとなっています。複雑なパターンを実現している背景には製造メーカーの CHOYA の技術があってこそのもので、DCブランド時代の豪華な洋服作りの一端を垣間見れます。

CHOYA は1886年(明治19年)創業の老舗シャツメーカーだったCHOYA株式会社は、シャツのパイオニアと称賛されていました。2015年に129年の歴史に幕を下ろしています。少し、CHOYA の歴史についてお話を。

創業者・浅野百蔵が東京・日本橋で洋物衣料品の製造販売店「浅野商店」を開いたことから始まります
。明治29年、商店に「潮谷(ちょうや)」という冠称をつけたのが最初です。その後、大正から昭和にかけて「蝶矢シャツ製造所」となり、広く知られるようになりました。内タグに蝶のマークが入っていたりもします。

日本の政財界のトップやビジネスパーソンから絶大な信頼を得てい他だけでなく、海外・国内の一流デザイナーズブランドの高級シャツのライセンス生産を数多く任されていました。一流ブランドが「チョーヤになら任せられる」と信頼するほど、その縫製技術は国内トップクラスでした。

現在は日本の大手シャツメーカーである「山喜(ヤマキ)株式会社」がその事業とブランドをすべて引き継ぎ、当時の技術を踏襲した「CHOYA SHIRT FACTORY」や最上級ライン「CHOYA 1886」を今なお製造・販売し続けています。

この山喜も国産古着のクオリティーの高い洋服でよくみる製造会社です。グラン山喜という表記を見たら高級品だと思ってください。

話を戻しましょう。

キャップは大ファンでもある BLANKEY JET CITY のキャップです。被っただけで、かっこよくなれると信じています。

パンツは前日と同じ Levi’s 541 です。


THE NORTH FACE
パープルレーベルの
ネルシャツ

80’s NEW YORKの
デニムハット

Levi’s 541 の
ブラックデニムパンツ

こちらもヴィンテージはデニムのハットだけですが、古着屋という感じのスタイリングになっています。

やはり、ネルシャツの存在感が大きいのだと思います。THE NORTH FACEパープルレーベルの
ネルシャツですが、このパープルレーベルについて少しお話を。

THE NORTH FACE と、東京・代官山を拠点とするセレクトショップでありブランドの nanamica が2003年にスタートさせた日本限定のコラボレーションラインです。日本限定のラインというのはライセンスビジネスで時折見かけるもので、素晴らしいアイテムが多いです。バーバリーでも BLACK LABEL とBLULE LABEL がありましたが、三陽商会のライセンスが終了すると共になくなり、古着で人気を博しています。

パープルレーベルは、1970年代〜1980年代のノースフェイスのヴィンテージや過去の名品をベースにしていて、それらを現代的なシルエットにアップデートし、最新の機能素材を掛け合わせるというコンセプトです。

現在ライセンスを持っているゴールドウィンですが、それ以前にノースフェイスを展開していた商社が現在のパープルレーベルとは違う形で「柴タグ」と言われるものを日本限定ラインとしてやっていました。

1970年代前半に、大手総合商社であった日商岩井 (現・双日) がアメリカからの直輸入ルートを開拓し、当時の日本のセレクトショップの前身となるような専門店や登山店へ日商岩井のアパレル部門が卸していました。その後、ブランドの規模拡大に伴い、よりアパレルのライセンスビジネスに強かった三井物産へと国内の権利が引き継がれていくことになります。

1970年代〜1990年代前半にかけて、米国のザ・ノース・フェイス社から日本国内におけるマスターライセンスを買い取っていたのが三井物産でした。1978年にゴールドウインが日本での輸入・販売を開始しますが、この時のゴールドウインは三井物産から製造・販売のサブライセンスの供与を受けるという形をとっていました。

この1980年代の三井物産期に作られていたノースフェイスのウィメンズアウターに用いられていたのが柴タグでした。しかし当時はメンズ中心のアウトドア市場だったためうまく定着せず、1994年にゴールドウインが日本および韓国におけるライセンスを完全に買収・取得した際にラインの整理をして消滅しました。

その時の柴タグをオマージュして、現在のユニセックスなパープルレーベルが始まりました。

洋服の歴史は面白いですね。話を戻しましょう。

そんなブランド背景もあり、ヴィンテージではなくても古着屋らしいスタイルが成立しているのだと思います。ボタンなどもかわいいんです。


80’s NEW YORK の
キャスケット

80’s GIVENCHY の
ドレスシャツ

Levi’s 541 の
ブラックデニムパンツ

こちらはうまくヴィンテージMIX できたスタイリングだと思っています。

80’s GIVENCHY のドレスシャツを中心にしています。

Givenchy for chesa は、1970年代にアメリカなどを中心に数年間のみ展開されていた為、現在コレクターアイテムとなっています。一部の高級百貨店やブティック向けの別注ラインです。当時流行したディスコ・スタイルやサファリ、少し若者向けでツヤ感のあるデザインが多く見られます。

ブランドの創業者である伝説的なクチュリエ、ユベール・ド・ジバンシィ本人が、当時はまだ現役でブランドを率いていました。オードリー・ヘプバーンの映画衣装や私服を数多く手がけたことでも有名です。

現在のジバンシィのようなストリート感とは異なり、ユベールらしいクラシックな気品と、1970年代ならではの華やかなテイストが融合しています。

ジャガード織でモノグラムが施されています。なにより、上質なポリエステルの肌触りがシルキーでとても気持ちいいです。

そのシャツに、かっちりしすぎないように外しの意味でキャスケットとデニムを合わせました。

シンプルですが、クラシックとカジュアルがバランスよく組み合わせられたスタイルだと思います。


BEAMS の
ニットキャップ

80’s AKIRA の
ロンT

80’s Levi’s の
コーデュロイパンツ

最後は大好きな AKIRA のロンTを主役にしたスタイリングです。

AKIRA のもつ赤のイメージに合わせて、オレンジのケーブル編みのニットキャップと、ベージュのコーデュロイで色のバランスを整えて、暗くなりがちな黒のロンTスタイルを明るめにまとめました。

このロンT、大変珍しい公式のものです。

FASHION VICTIM(ファッションヴィクティム)社が公式にライセンス契約を締結し、現地のアメリカ製ボディを用いてTシャツを生産しました。この頭文字をとって「FV製のAKIRA」と言われ、ひと目で「90年代前半の最高の時代のオフィシャル品だ」と判別できるため、本物の証として世界中のコレクターに認知されています。

その他にも、「KMH(KIMONO MY HOUSE)」と「Fruit(Fruit of the Loom)」の2つもオフィシャル品として有名です。

キモノ・マイ・ハウスとは、アメリカ・サンフランシスコに実在する、日本の特撮やアニメグッズを専門に扱う老舗ショップです。映画 AKIRA がアメリカで公開された直後の1990年代初頭、このKMHのオーナーであるスーザン氏らが講談社から正式にライセンスを取得し、世界で初めて本格的な AKIRA のグラフィックTシャツを製造・販売しました。

KMHが最初にデザインし、自店で刷っていたAKIRAのグラフィックの版やアートワークがFashion Victim 社に渡った(あるいは流出した)と言われています。そのため、「KMH製」と「FV製」は、全く同じデザインのものが多数存在します。古着市場では、FV製よりもさらに年代が古く希少な KMH 製こそが真のオリジナル・最高峰としてみなされますが、現存する数が少なく幻のアイテムとなっています。

Fruit of the Loom のことは言うまでもないかもしれませんが、果物のロゴマークでお馴染みのアメリカを代表する1800年代創業の老舗アンダーウェアメーカーです。

Fashion Victim 社も一時期 Fruit of the Loom 社のボディを仕入れてプリントしていたため、グラフィックはFVのデザインだけど、首元のタグはFruit of the Loom というものも存在します。

このロンTに合わせたコーデュロイパンツにも触れておきたいです。

70’s のパンツは稀少ですが、このバックポケットに小さなレザーバタグを配置したモデルは、市場での流通数が少ない珍しい珍品アイテムです。レディースの Gals ラインに多く見られるデザインですが、メンズのこのラインでもごく一部のファッション性を重視したトラウザー仕様のモデルに採用されていました。

フロントのジッパーには、ヴィンテージ特有の 42 TALON が使用されています。42タロンのようなセミオートマチック式のジッパーは、1970年代〜1980年代前半のアメカジ・ワークウェアに最も広く普及していたもので、年代を特定しやすい情報になります。

このラインは1970年代〜1980年代前半にかけて展開されていたメンズ仕様のシリーズで、当時の成人男性が履きやすいよう、ヒップや太もも回りに少しゆとりを持たせつつ、スマートに仕立てられた「大人のためのリーバイス」として打ち出されていました。

若年層には519や646が大ヒットしている時代で、大人向けの限定的なデザインは正反対に位置付けされます。

リーバイスはこの時期、デニム以外の衣類に高級感やドレス感をプラスしようと様々な試行錯誤をしていました。バックポケットに縫い付けられたレザータグは、その実験的なデザインアプローチのひとつでした。この為、定番にする目的は薄く、現代では数も少ない稀少なアイテムとなっています。


以上、10月2周目、5日間のスタイリングまとめでした。

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