ichiru 1week styling
10 – vol.3
ichiru オーナー兼バイヤー兼販売員、つまり1人でやっているのでなんでもやるササキタクマの営業日のコーディネート1週間分をまとめた記事です。参考や、洋服・古着の関心につながったら幸いです。



80’s NEW YORK の
キャスケット
MOTHER2 の
Tシャツ
70’s USA製の
アルミジップパーカ
BEAMS の
ブッシュデニムパンツ









今回の主役は、アメリカ製のジップアップパーカです。
霜降りのブルーの色合いと、時間を経て柔らかくなってきた生地の表情が、現代のデニムとTシャツに不思議なくらい自然にまとまりました。ゲーム MOTHER2 のTシャツのベージュカラーとプリントが、全体の印象を整える大切な役割を担っています。
パーカのメーカーはアメリカの老舗スポーツウェアブランドである ARTEX(アルテックス)。タグには「50% COTTON / 50% CRESLAN」と「Made in U.S.A.」の表記があります。おそらく 60’s 後期のものだと思われます。
「50/50」というものは通称フィフティ・フィフティと呼ばれるもので、当時のアメリカ製ヴィンテージスウェットの王道とも言える質感です。Creslan(クレスラン)はアクリル系の繊維の商品名として知られています。
そして、「BEST(ベスト)」というアルミ製のジッパーが採用されています。「BEST(ベスト)」は、1960年代から1970年代にかけて、アメリカ製のスウェットやワークウェア、ジャケット等に多く採用されていたヴィンテージジッパーブランドです。
アルミジップは 1960年代〜1970年代初頭につくられていたパーツです。アルミは軽くて見栄えが良い反面、真鍮に比べて強度が低く、歪んだり削れたりしやすいという弱点がありました。そのため、1970年代中期以降はより頑丈な真鍮製や、滑らかなプラスチック製へと急速に移行していきました。
この「BEST」ジッパーは当時の日本の協和チャック工業株式会社というメーカーが製造し、アメリカへ輸出していたと言われています。1960年代〜70年代のアメリカは、空前のスウェット・パーカーブームでした。コストパフォーマンスと確かな技術力を備えた日本のジッパーは、アメリカの老舗スポーツブランドに次々と採用されました。
ジッパーは、洋服のなかでは小さな部品です。それでも、金属の質感や歯の形状、引き手のつくりによって、服全体の印象が変わります。今回のパーカも、ジッパーの存在が生地の柔らかな雰囲気にほどよい無骨さを加えているように感じます。


80’s NEW YORK の
キャスケット
90’s agnis b の
ジップシャツ
70’s Levi’s の
STA-PREST パンツ








アニエスべーのワークシャツをモチーフにしたと思われる燻んだ赤のジップシャツに、ヴィンテージリーバイスのスタプレを合わせました。
「STA-PREST(ステイ・プレスト)」は、1964年にリーバイスが開発したアイロンを掛けなくてもシワになりにくく、センタープレスが崩れないというコンセプトのノンデニム・パンツのシリーズです。
こちらは70’s 後期くらいのものだと思われます。
スタプレは1960年代後半のアイビールックに始まり、1970年代のヒッピーカルチャーやモッズ、さらにはイギリスのスキンズやカジュアルズなど、多くのユースカルチャーに愛されました。ワークパンツのようにも穿ける上品な服で、幅広いニーズに受け入れられました。
リーバイスは年代の特定がしやすいディテールが残っています。ボタン裏にある520という刻印はアメリカの工場で作られたことを表していて、3桁ということが70 〜 80’s のものだということもわかります。
ジップはタロン42というもので、こちらも手掛かりとなります。
薄い青に近いグレーのカラーと赤いシャツ、ワークデザインでありながらアニエスらしい綺麗なシャツと柔軟なスタプレが上手く合わせられたと思います。


BLANKY JET CITY の
キャップ
70’s Levi’s の
デニムシャツ
日本製の
Uネックカットソー
Levi’s 541 の
ブラックデニムパンツ








全体をタイトなシルエットで統一しました。デニム×白×黒という王道カラーでまとめたので、飽きないで見てられるような印象になりました。
中でも70’s 前期の Levi’s Gals のシャツが雰囲気を作ってくれています。リバイスの中でもちょっと変わったこちらのラインについて少しお話ししてみます。
リーバイス社は1968年に、当時急速に高まっていた女性の権利運動や若者カルチャー(ヒッピー、LOVE&PEACEなど)の流行を取り入れ、ファッションに敏感な若い女性に向けた独立したレディース部門としてこのラインを発足させました。
1970年代の終わりに「Womenswear」へと名称が変更されたため、わずか10年ほどしか存在しなかった非常に希少なラインです。
胸ポケットにオレンジタブがついており、Levi’s の e が小文字になっています。これは「スモールe」と呼ばれています。リーバイスは1971年に大文字ロゴ(ビッグ E)から小文字ロゴ(スモールe)へと移行したため、このシャツは1971年以降に作られたものだと特定できます。
90年代から2000年ごろ、このような70’s くらいのシャツは、今のように価値をそこまで見出されていませんでした。特にレディースのものはメンズに比べ、さらに関心の外にあったように記憶しています。形がよく、すっきりしたシルエットのスタイリングにしたいときに重宝しているお気に入りです。
インナーには、こちらも2000年代初頭くらいに愛用していたカットソーを合わせました。まだまだ現役で着れる優れものです。着るたびに日本製の良さを感じます。
タイトシルエット、70’s Levi’s 、ブランキージェットシティのキャップという合わせで、ロックな感じでとても好みな組み合わせになりました。


70’s BIG MAC の
シャンブレーシャツ
80’s ロッキンホラーショウの
Tシャツ
90’s 日本製の
ジャガード柄パンツ








全てヴィンテージでのスタイリングになりました。今では全てお目にかかるのが難しいアイテムです。
まず BIG MAC のシャンブレーシャツ。1922年に、アメリカの三大老舗百貨店の1つである J.C.Penney のプライベートブランドとして誕生しました。主に労働者向けのオーバーオール、カバーオール、ワークシャツなどを展開していたそうです。機能性が高く、頑丈で安価だったことから、当時のアメリカのワーカーたちから爆発的な支持を集めました。
タグの中央にある PENN-PREST(ペンプレスト)とは、J.C.Penneyが開発したアイロン不要(防シワ加工)の技術商標です。この表記が入ったものは主に1970年代に多く流通しました。
生産数も多かったので古着ではよく見かけるアイテムでしたが、近年では稀少なものとなってしまいました。軽くて丈夫で、デザインもよく、とても気に入っています。
インナーには Rocky Horror Picture Show のTシャツを合わせました。画像にわかりにくい裾の写真がありますが、シングルステッチと言われ、最近ヴィンテージの証と人気を博しているディテールです。94年ごろからダブルステッチに変わり、今ではそれが主流の縫い方になっています。
ロッキー・ホラー・ショーは、1975年に公開されたイギリス・アメリカ合作のミュージカル・ホラー・コメディ映画です。舞台版は1973年スタートしています。
Tシャツに描かれている象徴的な唇は劇中でマジェンダ役を演じた女優パトリシア・クインのものです。映画のオープニング曲『Science Fiction/Double Feature』を歌うカットで画面いっぱいに登場するもので、映画史に残る有名なアイコンの1つとなっています。
20歳くらいの時によく分からずに買いました。デザインが好きだったというだけの理由でしたが、なぜか古着ラバーに馬鹿にされたことを覚えています。映画も公開当初は酷評されていましたが、ニューヨークの深夜興行で上映されると徐々に人気が出てきたといいます。このTシャツも現在高騰していて、あの時見向きもしなかったあの人も、きっと探しているはずです。
ブルーのシャツに合わせた黄色い柄パンツは、FIORUCCI(フィオルッチ)というイタリアの有名ブランドの80〜90年初頭頃のものです。UOMO という表記はメンズラインを表しています。
1967年にエリオ・フィオルッチによってミラノで設立されたブランドで、1970年代〜1980年代にかけてのポップカルチャーやジーンズの黄金期を牽引したブランドでもあります。フィオルッチはニューヨークの東59丁目に店舗をオープンしました。
夜の街を席巻していた伝説のクラブ「スタジオ54」に集う人々が昼間にこぞって集まったことから、「昼間のスタジオ54」と称され、その常連の筆頭がアンディ・ウォーホルでした。
他にもキース・ヘリングは店舗全体の壁画や内装のデザインを任されました。
ブレイク前のマドンナは、フィオルッチのディレクターと親交があり、ブランドの記念パーティーで初期のライブパフォーマンスを行っています。
今や著名なデザイナーのマーク・ジェイコブスは10代の頃にこのNY店に頻繁に通い詰め、多大な影響を受けたと公言しています。


90’s agnis b の
コットンシャツ
80’s 日本製の
半袖柄シャツ
70’s Levi’s の
STA-PREST パンツ






柄のシャツに柄のシャツを合わせ、ボトムスには綺麗でシンプルなスタプレでスタイリングをまとめました。色を落ち着いたトーンでまとめて、柄の激しさを軽減してみました。
インナーとして使った CALBARI(カルバリ)のシャツが特に気に入っている1着です。
90’s 古着好きの間で知られている日本のブランドで、当時のトレンドだった少しゆったりとしたビッグシルエットのシャツなどがまだ手に入りやすいです。
アニエスのシャツも90’s で、肌触りからも上質だとわかるほどのコットン100% シャツです。これも長年愛用しているお気に入りです。
以上、10月3周目、5日間のスタイリングまとめでした。
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