こんにちは、佐々木 拓馬です。私の簡単なプロフィールはこちらです。よろしければご覧ください。
さて、22AWのクラウドコーデの2回目、今回はOUATというブランドのひとつのアイテムに、ichiruの数点を合わせてみたいと思います。
クラウドコーデとは、ichiru のアイテムと他のショップ・ブランドのアイテムを勝手に組み合わせてコーディネートの提案をするという企画です。しかも見ている人の頭の中で勝手に妄想してもらう他力本願です。
往々にしてお店が発信するコーディネートの提案というのは、そのショップの中で販売しているアイテムのみで行われます。それがまるまる購入した人の個性になる場合もあるとは思いますが、少ないのではないかと思います。
洋服選び、気に入った洋服と出会うって、そんなに簡単なことではありませんよね。そしてほとんどの場合、じぶんでコーディネートする時は、違うショップやブランドが特に意味を持たすことなく感覚的にバラバラに組み合わさっているものです。
それでいいというか、それがいいのです。そこを楽しむことこそがファッションなのです。
ichiru のセレクトしたものと、それに合いそうなもの、古着として出てきたら ichiru がセレクトしそうなブランドって、結構あります。
ヴィンテージのワンピースの上に現代のブランドのカーディガンを羽織るみたいなことって、とてもいいですよね。それはまさに敬意を持って過去を更新して未来の文化を作っているという瞬間なのだと思います。
今回はそこにOUATのメタスモックを合わせていきたいと思います。
オーユーエーティと発音します。ユニセックスブランドとして展開しています。
インポートの生地と日本の高い縫製技術によって生み出されていくプロダクトは、どれも高品質なものです。数十年後にはヴィンテージとして扱われるだろう、といった表現がされることもあります。
ichiru がセレクトしている MADE IN JAPAN の洋服の生産が隆盛を極めた70’s 〜 80’s のアイテムも、インポート生地を日本で縫製するというプロセスで生産されたものが多く、類似性が気になるところです。
公式のツイッターではオリジナル品の紹介はほとんどなく、サンプリングしたと思われるヴィンテージを紹介しています。そのコンセプト、とてもユニーク!好き!ってなりました。そして、セレクトしているものがとても良いので、見ていて楽しいです。
私の頭の中の妄想話はさておき、さっそく ichiru の洋服の方を妄想してコーディネイトしていきます。
というかしてもらいます。
まずはこちらのパンツから、はじめてみましょう。
70’s のプレスパンツです。どうでしょうか、めっちゃ合うと思います。同系色での合わせが、なんだか好みです。ウロコのような柄も、説明はできませんがなんとなくメタスモックにフィットしている気がします。
ウエストのボタン、日本ヴィンテージによくみられるタイプのもので、こういったちょっとしたポイントが気分を上げてくれますし、スタイリングをレベルアップしてくれます。
続いてスカートです。大胆な柄です。とても目を惹きますが、不思議とやり過ぎだな〜という感じはしません。
こういった大柄のテキスタイルはどこでもカットできるものではないので、とてもコストがかかります。
あまり布が通常パターンよりも多めに出てしまったり、このスカートに関しては発色や細かい線の表現、それをパッと見ただけでも伝わってくるほど丁寧な仕事を感じられるので、とっても贅沢な仕上がりです。
メタスモックの素材とマットな質感とも相性が良いでしょう。黒とベージュって合わせがいいですし、美しい青と赤がバランスよく配置されているので、暗くなりすぎないのがスタイリングのポイントとして良く機能してくれます。
しかし、なんの花でしょう。花はよく買うし好きなのですが、名前やヴィジュアルを記憶できません。きっと覚えていないから、毎回新鮮に美しいと思えるのかもしれません。
こちらもスカートで、古着としてお目にかかるのは珍しい、adidas のロングスカートです。
しっかりした佇まいでありながら懐深くスタイルを許容してくれるデザインのメタスモックに、こういったスポーティなものを合わせるとしっくりと着こなしながらも崩したバランスが楽しめます。
ちょっと画像が遠くなってしまったので、改めて貼り直しました。
こうして改めて見ると、ありそうでない、つくれそうでつくれない、ぎりぎりのバランスを感じます。バランスしなければ、かっこ悪くなってしまうものです。なんでもないように見えるけど、なんか良いものって、とてもとても時間をかけて考えて形になったアイデアの結晶のようです。
最後はトリコロールカラーのセーターを合わせてみましょう。合わせてみましょうというのはあなたの頭の中で、です。どうかちゃんと想像してくださいませ。それだけが頼りの企画でございます。
こちらはスウェーデン製、70年代くらいのものだと思われます。「くらい」というのは本当のところは分からないからです。完璧に分かるものもありますが、ほとんどのものは、推理や想像をしながら多くの情報を組み合わせてこのくらいのものかもと言ってみたりします。
古着屋って探偵みたいなんです。探偵になりたくて20代前半の頃の私は探偵事務所に直接雇ってほしいと交渉しに行ったことが何度かあります。全て断られて、洋服の探偵業をしていることに今気がつきました。
妄想に戻りましょう。
ベージュのようにアースカラーと言われるものには濃い色と相性が良かったりします。そうは言ってもいちばん最初に載せたパンツのように同系色でも合うものは合うものです。こちらの白はバッチリだと思います。そこに赤と紺のはっきりとした色が明るくて気持ちがいいです。
色が配置されているポイントがぬかりなくぬけめないです。首、袖、裾、全てのポイント押さえているのですから、大したものです。メタスモックのジップを少し下げて3色見せてコーディネートしたところをご想像ください。そうそう、その調子、とても良いカラーバランスだと思いませんか。
あと古着屋はこういったアジのあるブランドネームなどを見ると、興奮します。なんでかは、わかりません。温もりでしょうか。でもたぶん、人のやった仕事が時代を越えていま目の前にある興奮と共に、その仕事が無駄になっていないことへの感動なのだろうと思います。
そういった古いものと現代のブランドが顔を合わせて、洋服と洋服の交流が生まれると、人と人との交流も生まれてくるように思います。簡単に単純に言うと、素敵な洋服を素敵な感じに着ていたら、気持ちのいいコミュニケーションが自然と生まれるものです。洋服と洋服が交流を図っているのですから、きっと人だってそうなるはずです。
いい洋服がいい人に出逢いに、生活に彩りが加わっていきますように。
ではまた。
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